肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)・ケロイドとは
肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)・ケロイドとは、傷あとが硬く盛り上がった状態です。
もとの傷と同じ範囲にできるものが肥厚性瘢痕、傷よりも広範囲に広がってできるものがケロイドと呼ばれます。
美容的な問題だけでなく、機能的な制限を引き起こすこともあり、その治療が重要となります。
肥厚性瘢痕・ケロイドの原因
外傷や手術などによる皮膚の傷が治癒する際に、コラーゲンが過剰に生成されることが、肥厚性瘢痕とケロイドの原因です。
遺伝的な要因が強く影響しており、過剰なコラーゲン生成を引き起こしやすい体質を持っている人に生じやすいとされています。
肥厚性瘢痕・ケロイドの治療法
肥厚性瘢痕とケロイドの治療法には以下のようなものがあります。
圧迫療法:圧迫療法は、硬く盛り上がった瘢痕に圧力をかけることで、瘢痕組織の形成を抑制する方法です。医療用のテープやシリコン製品を用います。
ステロイド外用薬:ステロイドには過剰なコラーゲンの生成を抑制する作用があります。ステロイドを含有する軟膏やテープ剤を使用します。
ステロイド注射:病変が高度な場合、ステロイドの局所注射を行う場合もあります。
内服薬:細胞の増殖を抑える作用があるトラニラストを使用します。ただし作用は強くないので、他の治療法と合わせて用いられます。
まとめ
肥厚性瘢痕とケロイドは、過剰なコラーゲン生成によって硬く盛り上がった瘢痕組織を特徴とする状態です。
早期の治療が重要で、圧迫療法や外用薬など、さまざまな治療法が存在します。
気になる症状があれば早めに皮膚科を受診しましょう。