治療

帯状疱疹ワクチンの解説

帯状疱疹ワクチンは、帯状疱疹の発症および重症化を予防する効果があり、50歳以上の方の接種が推奨されています。

ここでは帯状疱疹ワクチンの詳細を解説いたします。

 

2種類のワクチン


帯状疱疹ワクチンには2つの種類があり、接種回数や接種方法、接種スケジュール、予防効果、副反応などの特徴が異なっています。

ワクチンの種類

生ワクチン(水痘ワクチン「ビケン」)

組換えワクチン(シングリックス)

接種回数(方法)

1回(皮下に接種)

2回(筋肉内に接種)

接種スケジュール

【標準スケジュール】
通常、2か月以上の間隔を置いて2回接種

接種できない方

免疫が低下している方は接種出来ません。

 

帯状疱疹ワクチンの効果


予防効果は以下のように組換えワクチンのほうが高くなっています。

また効果の持続期間も組換えワクチンが長いです。

 

生ワクチン

組換えワクチン

接種後1年後時点

6割程度の予防効果

9割以上の予防効果

接種後5年後時点

4割程度の予防効果

9割程度の予防効果

接種後10年時点

7割程度の予防効果

注意すべき点は、生ワクチンは高齢になると効果が下がってしまうということです。

生ワクチンの予防効果
・60代:64%
・70代以上:38%

 

一方、遺伝子組換えワクチンは高齢者でも効果が出ています。

組換えワクチンの予防効果
・60代:97%
・70代以上:91%

したがって70歳以上の方は、組換えワクチンのほうが望ましいかもしれません。

 

帯状疱疹ワクチンの副反応


副反応については、生ワクチンは軽度なことが多いです。

一方、組換えワクチンを接種した方の多くが、注射部位に痛みが生じます。また発熱が生じる方も20%ほどいらっしゃいます。

主な副反応の発現割合

生ワクチン

組換えワクチン

70%以上

注射部位の痛み

30%以上

注射部位の赤み

注射部位の赤み、筋肉痛、疲労

10%以上

注射部位のかゆみ・熱感・腫れ・痛み・しこり

注射部位の腫れ、悪寒、発熱、胃腸症状

1%以上

発疹、倦怠感

注射部位のかゆみ、倦怠感、その他の痛み

組換えワクチンは効果は高いのですが、副反応については注意しておく必要がありそうです。

 

帯状疱疹になったことがある方の接種


「帯状疱疹にかかったことがある方のワクチン接種」について質問を受けることがあります。

帯状疱疹に2回かかる確率は約5%(20に1人)と言われており、頻度は少ないですがゼロではありません。

そのため、帯状疱疹にかかったことがあっても、2回目の発症を防ぐためにワクチンの接種が推奨されます。

 

それでは帯状疱疹にかかった後、どれくらい空けて接種すればよいのでしょうか。

帯状疱疹発症直後はウイルスに対する免疫が高まっており、1年以内に再発する方は少ないようです。

そして3年後くらいから再発のリスクが上がってくると言われています。

そのため1年後から3年後までの間に接種するのがよいのではないかと考えています。

 

料金について


料金については以下を御覧ください。

>>帯状疱疹ワクチンの料金について

福岡市の助成金対象施設となっておりますので、対象者の方も接種可能です。

 

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