色素性母斑(ほくろ)とは
色素性母斑は皮膚にできる良性の腫瘍で「ほくろ」と呼ばれます。
色は黒や茶色で、盛り上がるものと、平らなものがあります。
3~4歳頃から発生するのが一般的ですが、生まれつき存在することあります。
「ほくろ」は「がん」になる?
「足の裏のほくろはがんになりやすい」と言われ、心配して受診する患者さんは少なくありません。
ですが一般的に、ほくろが悪性化する頻度は低いと考えられています。
ただし、見た目がほくろとそっくりな皮膚癌が存在します。
自己判断せずに、皮膚科専門医を受診し、本当にほくろかどうか診断を受けることが重要です。
色素性母斑の診断法
色素性母斑の診断にはダーモスコピーを使用します。
ダーモスコピーは皮膚の表面を拡大して詳しく観察できる拡大鏡です。
色調や色素のパターン、分布などから、色素性母斑と皮膚がんを区別することができます。
ただしダーモスコピーのみですべてのできものを正確に診断できる訳ではありません。
判断がつかない場合は組織検査が必要になることがあります。
色素性母斑の治療法
色素性母斑は良性の腫瘍なので、放置しても問題はありませんが、見た目が気になる場合は治療を行います。
治療方法には以下のようなものがあります。
手術:局所麻酔でほくろを切除します。手術には色々な方法がありますが、メスで切除する方法、炭酸ガスレーザーで蒸散させる方法などがあります。
レーザー治療:色を持っている細胞を破壊するQスイッチレーザーを使います。肌に傷を残すことはほとんどありませんが、細胞が皮膚の深いところまで存在すると、何回もレーザー治療を繰り返す必要があります。また盛り上がったホクロは、レーザーで治療しても平らになることはありません。
当院では手術による治療が可能です。
まとめ
色素性母斑(ほくろ)は良性の皮膚病変であり、基本的に問題を引き起こすことはありません。
しかし、ほくろにそっくりな皮膚がんもあるため、皮膚科専門医の診察を受けることが大切です。
気になる症状があれば早めに皮膚科を受診しましょう。